益川教授「べ、別に嬉しくないんだからね!」

…のツンデレ発言は、どんな言い方だったのか気になる。この先生は別の記事でも、まさに基礎物理学者のイメージ通り、期待を裏切らないキャラを紹介されている。数学のできる人って、英語がダメな時は徹底的にダメなので、それで東大・京大に入れなかったりするようだ。名大出身の森博嗣先生がブログで、そんなことを言っていた。思うに、英語には論理的なマニュアルがないからだろう。彼らは数学的な話は読むはずだから。

益川教授の発言にも関わらず、現役の同業者の方々は絶対、嬉しいだろう。とりあえず関係ない私も、基礎物理学にカネがまわればいいなぁと思う。

プロの理論物理屋さんというのは選ばれた人間だが、現状では、選ばれるのも善し悪しだ。メーカーに入ったりIT企業なりを立ち上げればもっとカネになるところを、才能があるばかりに貧乏したりポストを求めて世界を渡り歩いたりしているように見える人たちが、確かにいる。理論物理をあきらめた人でも、ほかの分野では優秀で、やっぱり研究者になって貧乏してたりする。少しでも生活がラクになれば、彼らの遺伝子だって残りやすいというものだ。

南部陽一郎氏がアメリカに帰化したことを気にする人がいるようだが、それよりも、レベルの高い基礎研究が国外でなされたことに、全国民がちゃんと向き合うべきだ。才能は作れないが、研究環境は努力によって整えうるものだし、研究成果は、それが行われた国のものになる。そして成果の出たところへ、さらに人材が集まるのだ。だから利根川氏と南部氏については、明らかに日本は損したわけで、無邪気に喜んでいる場合ではない。