緒形拳死去

緒形拳の訃報に接して驚き、ブログ書いてる場合じゃなかったのだが、改めてWikipediaをつらつら眺めてみるに、意外と「ポケベルが鳴らなくて」なんかが印象に残っているのであった。裕木奈江演じる少女を好きになる、まじめで罪深い中年男。これが、スケベな殺し屋の藤枝梅安と同じ役者であって、それでいて演じ分けている感じがしない。どんなイヤな役柄でも、彼を観るのは眼福である。画面に映っているだけで、何かが成立している。2chまとめブログなんかで反応を見ると、「この人、好きだった」という言い方をする人が多い。みんな、緒形拳っていう役者と、緒形拳っていう人が一緒になっている。こういうこと全て、ただの役者じゃなくてスターになる役者の特徴のように思われる。

子供の頃、同時期にたくさんの作品を観た記憶がある。たとえば夕方に「必殺仕掛人」の再放送を観たあと、夜にNHKで「タクシーサンバ」をやっていたりした。ストーリーなんて全く憶えていないけど、あれだけ観たということは、うちの母も緒形拳が好きだったに違いない。